木下小夜子 Sayoko Kinoshita
アニメーション作家/プロデューサー。東京生まれ。女子美術短期大学造形学科卒業。
虫プロダクションを経て、1969年、(株)スタジオロータス入社。以来、アニメーション・メディアを基軸とした制作・開発・教育・振興等、幅広い事業・活動を国際的に展開し、その仕事はアニメーションのみならず、実写ドキュメンタリーやフィクションを含む映像分野全般に及ぶ。
木下蓮三と共に、『MADE IN JAPAN』(’72)、『日本人』(’77)、『ピカドン』(’78)、『最後の空襲くまがや』(’93)、『琉球王国 – MADE IN OKINAWA』(’04)等、 インディペンデント短編ドキュメンタリーアニメーションを制作し、グランプリを含む国際賞を多数受賞。1985年、木下蓮三と共に、アジアで唯一のASIFA公認映画祭として、広島国際アニメーションフェスティバルを企画・実現。以来、36年間、2021年3月に映画祭が終了するまで、フェスティバル・ディレクターを歴任した。
2006年〜2009年 および 2018年12月〜2022年5月の2期、ASIFA会長。1997年5月〜2022年7月、ASIFA-JAPAN会長を歴任。映画芸術科学アカデミー(AMPAS)会員。
アニメーション作家/プロデューサー
東京生まれ。女子美術短期大学造形学科卒業。
虫プロダクションを経て、1969年、(株)スタジオロータス入社。以来、国際的に、アニメーション・メディアを基軸とした制作・開発・教育・振興等、幅広い事業・活動を展開し、その仕事はアニメーションのみならず、ドキュメンタリーやフィクション等、実写を含む映像分野全般に及ぶ。
制作では、テレビの子供向け教育番組「カリキュラマシーン」 (NTV/ ‘74〜‘76)、「おはよう子供ショウ」 (NTV/‘76〜‘80)、音楽番組「コッキーポップ」 (NTV/‘81)などで、アニメーションの企画、演出、キャラクターデザイン、照明デザインを手がける。
また、パートナーの木下蓮三と共に制作した短編作品やコマーシャル作品では、脚本、企画、アニメーション、プロデュースを主に担う。代表作の短編アニメーション『メイド・イン・ジャパン』(‘72)、『日本人(ジャポネーゼ)』(‘77)、『ピカドン』(‘78)、『最後の空襲くまがや』(‘93)、『琉球王国 – MADE IN OKINAWA』(’04)などでは、歴史や現代社会を偏りのない温かい視点で見つめ、鋭敏な感覚と芸術性は国際的に高く評価されている。1972年、『メイド・イン・ジャパン』のニューヨーク国際映画祭グランプリ受賞をはじめ、すべての作品共、各国の国際映画祭で多数受賞し、常に招待上映され続けている。
教育活動としては、日本及び世界各地の美術大学や専門学校での特別講義、国際映画祭での講演、国内外の映像関係者や美術教師を対象とした講演/講義/ワークショップ、国内外における市民を対象としたワークショップなどをはじめ、人権、平和、エイズ、人口など重要な社会問題におけるメディアとしてのアニメーションの利用、アニメーションを用いたさまざまな異分野の開発、障害児を対象としたアニメーション制作指導、アニメーション制作をベースとした社員研修/能力開発等、独自の活動は広範囲にわたる。
1990年より、国際協力事業団(JICA)アニメーション制作専門家として、アジア・中東・中南米・アフリカ・オセアニアなど41ヶ国の映像関係者を対象とした講義/ワークショップ。1994年、ユニセフ主催「第2回開発のためのアニメーション・サミット」(於オーランド)にて招待講演。2000年、国際交流基金「日本文化紹介派遣事業」の派遣により、アメリカ、メキシコ、ブラジル各地にてアニメーション講演/デモンストレーション。2000年、大阪市主催「国際人権教育シンポジウム&ワークショップ」にて講演・制作指導。
また、将来を担う子ども達を対象としたワークショップ活動にも力を注ぎ、1997〜2006年、ASIFAワークショップ委員会(AWG)の会長を務めた。2005年〜2019年、大阪芸術大学客員教授。
一方、1985年、木下蓮三と共に、アジアで唯一の国際アニメーションフィルム協会(ASIFA/本部フランス、アヌシー市)公認映画祭として、広島国際アニメーションフェスティバル (コンペティティヴ/広島市主催、ASIFA日本支部共催) を企画・実現。当時、被爆40周年に際し、国際平和文化都市作りを目指し、恒久平和を願う広島市と、アニメーションによる異文化理解と友好を旨とするASIFAとが心を重ね、「愛と平和」の精神の下、設立された。以来、36年間、2021年3月まで、フェスティバル・ディレクターを歴任し、2年に一度の開催を続け、プログラム企画構成コーディネイトから作家招聘まで、総指揮として質の高い運営を担い、アニメーション・アートの振興に精力的に力を注いできた。コンペティションの質の高さ、そして独自の特別プログラムや展示の企画構成は世界的に高い評価を得て、「世界4大アニメーション映画祭」の一つとされ、米国アカデミー賞およびアニー賞公認映画祭でもあった。
‘90年代初頭より、各地を単身訪問、アニメーション界の現状を視察・調査するとともに制作者や関係者との交流を続けている。1993年にベトナム、シンガポール、インドネシア、フィリピンを、1996年にマレーシア、タイ、スリランカを、1998年にインド各地、2000年にトルコ各地、2003年にルーマニア、2005年にスイス、2008年にフィンランド、2012年にノルウェー、2014年にハンガリー、2018年にエストニア、2020年にイギリス等を訪問し、調査・交流を続けている。
‘80年代初頭より、国内外の映画祭・美術館等におけるアニメーション・プログラムを企画コーディネイト。‘86〜‘94年の9年間、板橋国際アニメーションフェスティバル (東京都板橋区主催、非コンペ) も運営し、各国の芸術的な作品を体系的に紹介。
‘86年より、スタジオロータス内に国際アニメーションライブラリー (IAL) を設立し、国内外の作家たちの作品を預かりながら、上映等の協力活動を推進し、アニメーションの多様さ、素晴らしさを紹介。
国際映画祭の審査員歴多数。講演、執筆なども国際的に多数。
1997年5月〜2022年7月、ASIFA-JAPAN会長を歴任。
2006〜2009年 および 2018年12月〜2022年5月の2期、ASIFA会長を務めた。
2006年、広島市政功労賞受賞。
2012年、文化庁メディア芸術祭功労賞受賞。
2019年6月、ハンガリー王国より、PRO CULTURA HUNGARICA賞受賞。
2020年より、米国映画芸術科学アカデミー会員。
2022年3月、東京アニメアワードフェスティバルより、功労賞授与。
2022年3月、第49回アニー賞(主催:ASIFAハリウッド支部)より、木下蓮三・木下小夜子に対し、アニメーション界への無償の貢献を讃える功労賞であるジューン・フォレイ賞授与。
2004年 |
◎「琉球王国 - MADE IN OKINAWA」 監督:木下蓮三・木下小夜子 35mm/17分43秒 |
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1994年 |
◎「ひろしくんは空がすき」 監督:木下蓮三 35mm/12分36秒/ 脚本・プロデューサー 芸術文化振興基金助成事業 クラコウ国際短編映画祭『日本特集』にて公式上映、 オタワ国際アニメーションフェスティバル公式上映、 EARTH VISION'94 第3回地球環境映像祭正式上映、 ベルリン国際児童映画祭公式上映、 Zlin国際児童映画祭公式上映、その他、多数の国際映画祭で招待上映、 文部省選定、日本映画ペンクラブ選奨、優秀映画鑑賞会推薦 厚生省中央児童福祉審議会平成7年度推薦文化財、国際交流基金所蔵 |
1993年 |
◎「最後の空襲くまがや」 監督:木下蓮三 35mm・ビデオグラム/28分51秒/ 脚本・プロデューサー 埼玉県平和資料館にて常設上映 クラコウ国際短編映画祭(ポーランド)名誉賞、 アヌシー国際アニメーション映画祭公式上映、 CINANIMA国際アニメーション映画祭公式上映、 ライプツィヒ国際短編映画祭招待上映、 広島国際アニメーションフェスティバル公式上映、 その他、多数の国際映画祭で招待上映、 文部省選定、日本映画ペンクラブ選奨、優秀映画鑑賞会推薦、 厚生省中央児童福祉審議会平成5年度推薦文化財 |
1991年 |
◎「FLIP-CLIP '91」 監督:木下蓮三 35mm・ビデオグラム/3分10秒/プロデューサー 電通主催"イラストレーション ニューウェーブ 100人展 '91"出品 |
1989年 |
◎「FLIP-CLIP」 監督:木下蓮三 35mm/5分30秒/プロデューサー クレルモン・フェラン国際短編映画祭(フランス)入選、 電通主催"イラストレーション ニューウェーブ 100人展'90"出品 |
1988年 |
◎「無想」 監督:木下蓮三 35mm/2分/プロデューサー |
1986年 |
◎「ゲバゲバ笑タイム」 監督:木下蓮三 35mm・ビデオグラム/30分/ 美術設定・アニメーション シカゴ子供のための国際映画祭入選、多数の国際映画祭で招待上映、 国際交流基金所蔵 |
1978年 |
◎「ピカドン」 監督:木下蓮三 35mm/10分/脚本・アニメーション ライプツィヒ国際短編映画祭入選、アヌシー国際アニメーション映画祭特別賞、 ロンドン国際映画祭選定、シドニー国際映画祭選定、 CINANIMA国際アニメーション映画祭特別賞、 モスクワ国際映画祭入選、日本映画ペンクラブ優秀映画推薦、 ロサンゼルス国際映画博覧会選定、 その他、多数の国際映画祭で招待上映、 国立近代美術館所蔵、国際交流基金所蔵、 ASIFAフィルムライブラリーに永久保存される 高等学校用美術教科書「美・創造へ1」(2003年日本文教出版)所収 2006年より、JICA国際協力事業団の平和教育にて世界各地で上映 2008年より、広島平和記念資料館主催の原爆展にて、全米各地で上映 2009年より、広島平和記念資料館のビデオコーナーにて常設上映 2009年、絵本『ピカドン』新装改訂版(ダイナミックセラーズ出版) |
1977年 |
◎「日本人」 監督:木下蓮三 35mm/6分/脚本・アニメーション アヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)入選、 ポンピドーセンターにて特別上映、 ライプツィヒ国際短編映画祭名誉賞(ドイツ) 、 ルッカ国際アニメーション映画祭(イタリア)最優秀賞、 CINANIMA国際アニメーション映画祭(ポルトガル)入選、 その他、多数の国際映画祭で招待上映、 国際交流基金所蔵、ASIFAフィルムライブラリーに永久保存される |
1972年 |
◎「MADE IN JAPAN」 監督:木下蓮三 35mm/9分/脚本・アニメーション ニューヨーク国際映画祭グランプリ、多数の国際映画祭で招待上映、 国際交流基金所蔵、 ASIFAフィルムライブラリーに永久保存される |
1971年 |
◎「いったい奴は何者だ」 監督:木下蓮三 35mm/3分40秒/ 脚本・アニメーション 草月アニメーションフェスティバル出品 |