公式声明:広島国際アニメーションフェスティバル(広島大会)の今後
2021年1月10日
皆様
1984年より36年間、広島市と共に開催して参りました広島国際アニメーションフェスティバル/International Animation Festival in Japan – HIROSHIMA(以下、「広島大会」)は、不本意ながら、2020年8月に実施した第18回大会をもって終了することとなりました。
この決定に関して、私共、ASIFA(国際アニメーションフィルム協会)およびASIFA-JAPAN(ASIFA日本支部)は、広島市から事前の相談を受けておりませんでした。私共は、市が広島大会の設立・公認団体であるASIFAそして設立・共催団体であるASIFA-JAPANとの協議を経ずに広島大会を終了したことを遺憾に思います。
広島大会は、1984年、恒久平和を希求する広島市と、アニメーション芸術の発展を通じて国際的な友好と相互理解を目指すASIFAとが、互いの理念を共有し、「愛と平和」の精神の下に創設したものです。私共は広島市と共に、アニメーション芸術を幹として、真の国際平和文化都市を目指す広島市に「芸術文化の森を創る」という構想のもと、継続開催を約束したうえで活動を始めました。そして、1985年、被爆40周年記念事業として第1回大会を実施しました。当時の荒木武市長は、第1回大会に先立ちASIFAに対して公認の要請を行い、ASIFAは、ASIFA-JAPANが共催者として運営に責任を持つことを条件に公認を付与しました。以来、広島市とASIFA-JAPANは「愛と平和」の精神の下、ASIFAが定める規約を遵守しながら2年に一度の隔年開催で広島大会を実施して参りました。こうした活動が世界から認められ、米国アカデミー賞やアニー賞の公認も頂き、「世界四大アニメーションフェスティバル」の一つとして知られるようにもなりました。
しかし、2019年11月、広島市は突然、「これまでの形での広島国際アニメーションフェスティバルは第18回大会で終了する。2022年には、新たに『総合文化芸術イベント(仮称)』を開催し、その中でアニメーションの催しも行う。しかしその際、ASIFA(およびASIFA-JAPAN)とは行わない」と通告してきました。新聞等のメディアでも伝えられていますように、広島市は新たに開催する「総合文化芸術イベント」について、「インバウンドや地元のコンテンツ産業の振興、経済活性化や観光振興に資するものにする」と述べています。しかし、広島大会は国際映画祭としての役割を担う中で、これまでも地元青少年の育成や観光振興にも貢献してきておりました。市は、国際平和文化都市として「愛と平和」のメッセージを世界に発信することよりも、経済的な利益を今まで以上に優先することを選ばれたように思います。また、市は、この「総合文化芸術イベント」の中でアニメーションのコンペティションやプログラムを実施するとしていますが、それらは、これまでの広島大会とは全く異なる別の催しとなります。
現在、世界中の多くの皆様から、ASIFAが公認しASIFA-JAPANが主体となって運営する国際的なアニメーションフェスティバル「International Animation Festival in Japan」の存続を望む声が寄せられ、大変心強く、励まされております。今後とも、皆様のご期待にお応えできるよう、努力を続けてまいります。
最後になりましたが、今日まで皆様から賜りました温かいご支援とご協力、そして友情に対し、心より深く感謝申し上げます。
追記
2020年12月18日、広島市は「総合文化芸術イベント」の名称を「広島国際平和文化祭」とすると発表しました。
ASIFA会長、ASIFA-JAPAN会長木下小夜子
ASIFA-JAPAN理事伊藤有壱
ASIFA-JAPAN理事山村浩二
ASIFA-JAPAN理事、プロジェクトチーム大西宏志
ASIFA-JAPAN理事、プロジェクトチーム西本企良
ASIFA-JAPAN事務局長、プロジェクトチーム長尾真紀子
ASIFA-JAPANプロジェクトチーム大塚浩平
ASIFA-JAPANプロジェクトチーム佐藤皇太郎
ASIFA-JAPANプロジェクトチーム長嶋哲夫
ASIFA-JAPANプロジェクトチーム福本隆司
ASIFA-JAPANプロジェクトチーム松永紀孝
ASIFA-JAPANプロジェクトチーム八木大
ASIFA-JAPAN会員有志一同