長尾 真紀子 Makiko NAGAO
アニメーション制作/普及/研究(芸術表象)
ASIFA-JAPAN事務局長
1985年、慶應義塾大学文学部卒業。在学中より、アニメーション作家 木下蓮三・木下小夜子が主宰する(株)スタジオロータス入社。木下小夜子秘書・助手として、短編アニメーションの制作、普及、プログラム企画制作、著作権管理等に携わる。国内外の映画祭、美術館、テレビ放映等のアニメーションプログラム制作多数。
スタジオロータス短編作品では、『ピカドン』(1978年)等の普及活動の他、『ゲバゲバ笑タイム』(1986年)、『無想』(1988年)、『最後の空襲くまがや』(1993年、埼玉県平和資料館常設上映作品)、『ひろしくんは空がすき』(1994年、芸術文化振興基金助成作品)、『琉球王国 - Made in Okinawa』(2004年、芸術文化振興基金助成作品)等の制作マネージメントを担当。
アニメーションアート振興のための活動として、広島国際アニメーションフェスティバルでは、1985年の第1回大会より2020年まで、木下小夜子フェスティバル・ディレクター秘書として運営全般のマネージメントに携わる。1990年よりプロジェクト委員として、主に上映/展示プログラム企画制作を補佐。2013年より大会実行委員も兼任した。第17回(2018)および第18回(2020)大会 国際選考委員。
1997年より、ASIFA-JAPAN事務局長。2005年以降、ASIFA-JAPAN主催「国際アニメーション・デー in Japan」も毎年運営。
理論的研究では、ドキュメンタリー概念や、ドキュメンタリーを担うメディアとしてのアニメーションについて考察。2014年より女子美術大学大学院芸術表象研究領域 杉田敦教授に学び、2020年、博士(美術)学位取得。学位論文「アニメーションによるドキュメンタリー再考」。
学術論文に「アニメーションにおけるドキュメンテーションの可能性:アニメーテッド・ドキュメンタリー研究史を概観して」(女子美術大学研究紀要第47号、2017年)、「「出来事の〈概要〉」を提示するアニメーションの潜在的可能性:アニメーションと他の表象との比較考察」(女子美術大学研究紀要第48号、2018年)、‘The possibility of documentation through animation: A comparative study of the animated short Pica-Don and artworks addressing social/historical issues’(Animation Practice, Process & Production, vol.7 - 1, UK, 2019)。口頭発表に、Radboud大学(オランダ、ナイメーヘン)での国際学会「Animation and Memory」(2017)、研究報告に、「広島国際アニメーションフェスティバル:ASIFAの精神に基づく36年の歴史と木下小夜子の実践」(女子美術大学研究紀要第52号、2022年)がある。
Society of Animation Studies (SAS)会員。日本アニメーション学会(JSAS)会員。