木下 蓮三 Renzo Kinoshita (1936年9月3日 - 1997年1月15日)

アニメーション作家
1936年9月3日大阪生まれ。一光社、大阪コマーシャルフィルム、毎日放送映画社を経て、1963年プッペプロダクションを設立。東京ムービーの「ビッグX」「オバケのQ太郎」の各話演出を担当。
1966年、虫プロに招かれて上京し、「鉄腕アトム」「悟空の大冒険」などに参加した後、1967年、
(株)スタジオロータス設立。
数多くのCFを演出・制作し、IBA、クリオ等の国際賞を多数受賞。
また、「すばらしい世界旅行」「巨泉・前武のゲバゲバ90分」「カリキュラマシーン」「コント55号のなんでそうなるの」など各種TV番組のアニメーション演出で一世を風靡。
一方、「メイド・イン・ジャパン」(’72)「日本人」(’77)「ピカドン」(’78)などの短編アニメーションも精力的に制作、現実社会を偏りのない暖かい視点で見つめ、その鋭敏な感覚と芸術性は、国際的に高く評価されている。「メイド・イン・ジャパン」のニューヨーク国際映画祭グランプリをはじめ、全ての作品が世界各地の国際映画祭で受賞。晩年の作品に「最後の空襲くまがや」(’93)「ひろしくんは空がすき」(’94) があり、沖縄の歴史と人々をテーマにした短編「琉球王国 – MADE IN OKINAWA」の絵コンテを’95年夏に完成させた。木下蓮三の作品は、今日も世界中で招待上映され続けている。
制作と共に、木下は生涯、アニメーション界の発展と若い才能の育成に尽力し続けた。そして、アニメーションを芸術の一分野として、また、効果的なメディアの一つとして広めるべく、日本の短編アニメーションを海外に紹介し、同時に海外の優れた作品を日本の観客に紹介することに多くの時間と労力と私費を費やした。
1981年、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA/本部フランス、アヌシー市)の日本支部を設立。
1985年、ASIFAが公認するアジアで唯一の広島国際アニメーションフェスティバルを企画、実現。長年にわたり、夫人の木下小夜子と共に、質の高い映画祭の基礎固めに努めた。第2回以降、映画祭副会長を歴任。1998年の第7回映画祭より、優れたインディペンデント作品を称える『木下蓮三賞』が設けられている。
短編映画全般への造詣も深く、その普及に努め、アニメーションのみならず短編およびドキュメンタリーの多くの国際映画祭に審査員として招かれた。
1979〜1997年、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA、本部フランス・アヌシー市)理事。その内、
1984〜1997年は、ASIFA副会長を歴任。
1981年、ASIFA日本支部(ASIFA-JAPAN)を設立し、1981〜1997年、同会長を務めた。
1997年1月15日、永眠。
2006年、東京アニメフェアにて功労賞受賞。
2004年 | ◎「琉球王国 - MADE IN OKINAWA」
監督:木下蓮三・木下小夜子 35mm/17分43秒 芸術文化振興基金助成事業 文部科学省推薦 スイス(FANTOCHE2005, LAUSANNE DOCUMENTARY FESTIVAL2005)、ウクライナ(KROK2005)、韓国(SICAF2005)、 ドイツ(LEIPZIG2005)、イタリア(I CASTELLI ANIMATI2005)、 リトアニア(TINDRINDIS2006)、スロベニア(ISOLA CINEMA FESTIVAL 2006)、クロアチア(ZAGREB2006)、中国 (CICDAF2006)、アメリカ(ダートマス大学、ASIFA-EAST主催回顧上映、ミシガン州立グランドヴァレー大学)等、国際映画祭等で招待上映。 |
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1994年 | ◎「ひろしくんは空がすき」 監督:木下蓮三 35mm/12分36秒 芸術文化振興基金助成事業 クラコウ国際短編映画祭『日本特集』にて公式上映、 オタワ国際アニメーションフェスティバル公式上映、 EARTH VISION’94 第3回地球環境映像祭正式上映、 ベルリン国際児童映画祭公式上映、 Zlin国際児童映画祭公式上映、その他、多数の国際映画祭で招待上映、文部省選定、日本映画ペンクラブ選奨、優秀映画鑑賞会推薦 厚生省中央児童福祉審議会平成7年度推薦文化財、国際交流基金所蔵 |
1993年 | ◎「最後の空襲くまがや」 監督:木下蓮三 35mm・ビデオグラム/28分51秒 埼玉県平和資料館にて常設上映 クラコウ国際短編映画祭(ポーランド)名誉賞、 アヌシー国際アニメーション映画祭公式上映、 CINANIMA国際アニメーション映画祭公式上映、ライプツィヒ国際短編映画祭招待上映、 広島国際アニメーションフェスティバル公式上映、 その他、多数の国際映画祭で招待上映、文部省選定、日本映画ペンクラブ選奨、優秀映画鑑賞会推薦、 厚生省中央児童福祉審議会平成5年度推薦文化財 |
1991年 | ◎「FLIP-CLIP ‘91」 監督:木下蓮三 35mm・ビデオグラム/3分10秒 電通主催“イラストレーション ニューウェーブ 100人展 ‘91”出品 |
1989年 | ◎「FLIP-CLIP」 監督:木下蓮三 35mm/5分30秒 クレルモン・フェラン国際短編映画祭(フランス)入選 電通主催“イラストレーション ニューウェーブ 100人展‘90”出品 |
1988年 | ◎「無想」 監督:木下蓮三 35mm/2分 |
1986年 | ◎「ゲバゲバ笑タイム」 監督:木下蓮三 35mm・ビデオグラム/30分 シカゴ子供のための国際映画祭入選、多数の国際映画祭で招待上映 国際交流基金所蔵 |
1978年 | ◎「ピカドン」 監督:木下蓮三 35mm/10分 ライプツィヒ国際短編映画祭入選、アヌシー国際アニメーション映画祭特別賞、 ロンドン国際映画祭選定、シドニー国際映画祭選定、 CINANIMA国際アニメーション映画祭特別賞、 モスクワ国際映画祭入選、日本映画ペンクラブ優秀映画推薦、 ロサンゼルス国際映画博覧会選定、 その他、多数の国際映画祭で招待上映、 国立近代美術館所蔵 国際交流基金所蔵、 ASIFAフィルムライブラリーに永久保存される 高等学校用美術教科書「美・創造へ1」(2003年日本文教出版)所収 2006年より、JICA国際協力事業団の平和教育にて世界各地で上映 2008年より、広島平和記念資料館主催の原爆展にて、全米各地で上映 2009年より、広島平和記念資料館のビデオコーナーにて常設上映 2009年、絵本『ピカドン』新装改訂版(ダイナミックセラーズ出版) |
1977年 | ◎「日本人」 監督:木下蓮三 35mm/6分 アヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)入選、 ポンピドーセンターにて特別上映、 ライプツィヒ国際短編映画祭名誉賞(ドイツ) 、 ルッカ国際アニメーション映画祭(イタリア)最優秀賞、 CINANIMA国際アニメーション映画祭(ポルトガル)入選、 その他、多数の国際映画祭で招待上映 国際交流基金所蔵、ASIFAフィルムライブラリーに永久保存される |
1972年 | ◎「MADE IN JAPAN」 監督:木下蓮三 35mm/9分 ニューヨーク国際映画祭グランプリ、多数の国際映画祭で招待上映、 国際交流基金所蔵、 ASIFAフィルムライブラリーに永久保存される |
1971年 | ◎「いったい奴は何者だ」 監督:木下蓮三 35mm/3分40秒 草月アニメーションフェスティバル出品 |
1996年 |
◎ 第6回国際アニメーションフェスティバル広島大会、 |
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1994年 |
◎ 「ノー・モア・エイズ」国際キャンペーン アニメーション |
1993年 | ◎ テレビゲーム「スイッチ」(セガ・エンタープライゼス) |
1992年 |
◎ 第4回国際アニメーションフェスティバル広島大会、 |
1990年 |
◎ 第3回国際アニメーションフェスティバル広島大会 |
1989年 |
◎ 平和映画祭1990プロモーション「朝」 |
1988年 |
◎ 「アムネスティ世界人権宣言」(合作) |
1987〜88年 | ◎ 日本TV「コサキン勝手にごっこ」 |
1987年 | ◎ テレビ朝日「ピッカピカ音楽館」 |
1985年 |
◎ 第1回国際アニメーションフェスティバル広島大会 |
1982年 |
◎ 日本TV「あんちゃん」 |
1980年 | ◎ 医学映画「頭痛の臨床」 |
1979〜80年 | ◎ フジTV「花王名人劇場」 |
1979年 | ◎ 日本TV「ズームイン!朝!!」 |
1978年 | ◎ TBS「ワンツーパンチ/やきいもロケット」 |
1976〜80年 | ◎ 日本TV「おはよう子供ショウ」 |
1976年 | ◎ 日本TV「輝け五郎マペット90分!」 |
1974〜76年 | ◎ 日本TV「カリキュラマシーン」 |
1973〜77年 | ◎日本TV「コント55号のなんでそうなるの」 |
1973年 |
◎ TBS「いつかは僕の夢がなれ」「パパが教えてくれたけど」 |
1970年 | ◎ 医学PR映画「めまい」 |
1969〜71年 | ◎ 日本TV「巨泉・前武のゲバゲバ90分」 |
1967年 | ◎ 日本TV「すばらしい世界旅行」---第五氷河期(前編・後編)、飢餓戦争 |
1961年 | ◎ PR映画「堺臨海工業地帯」 |
1959年 | ◎ 日本TV「てなもんや三度笠」 |
ブラザー「電子オルガン」 IBA賞
オリベッティ「赤と黒タイプライター」 IBA賞
赤福「赤太郎」 ACC地方賞
セキスイ「MEN WHO DID SOMETHING FIRST」 IBA賞
ナショナル「チャイクロ」 IBA賞
エッソ「いってらっしゃい気を付けて」 クリオ入選
ナショナル「鉛筆削り」 IBA賞、クリオ賞
その他:
トリスウィスキー、大阪ガス、東芝、日立、日本ハム、日清食品、ロート製薬、明治製菓、
トヨタ、シャープ、三菱自動車、旭ガラス、武田薬品、雪印、トンボ鉛筆、グリコ、清水建設、
カバヤ食品、ライオン、森永、日本警備保障、関西電力、味覚糖、ユニチャーム、コダック、
ホンダ、講談社、ハウス食品、JARO、大正薬品、九州電力、ポーラ、 長崎オランダ村、
NTT、ロッテ、静岡新聞、日本赤十字、 他、多数
どん兵衛(日清食品) ニコニコ坊や(ズームイン!朝!!) ひっくりかえる(ナショナル)
ローレット氏(ジョンソン) MILKMAN(ホクレン) トンボちゃん(とんぼボールペン)
MY JAM(明治屋) ペンテルくん(ぺんてる) ルミエラ(ポーラ)
ラッピー(広島国際アニメーションフェスティバル)
板橋くん(板橋国際アニメーションフェスティバル)
ホカロン(ロッテ) スラップくんとスティック(セガ) 他、多数
1989年 | ◎ 絵本「ひろしくんは空がすき」(ウオカーズカンパニー) |
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1979年 | ◎ 絵本「ピカドン」(ダイナミックセラーズ) |
1974年 | ◎ 漫画「放送朝日」連載(〜’75) |
1994年 | ◎ 第5回広島国際アニメーションフェスティバル |
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1992年 | ◎ 上海国際アニメーションフェスティバル(中国) |
1991年 | ◎ CINANIMA国際アニメーションフェスティバル(ポルトガル) |
1985年 | ◎ アンティベ国際アニメーション/マリオネットフェスティバル(フランス) |
1983年 | ◎ タンペレ国際短編映画祭(フィンランド) |
1980年 |
◎ ライプツィヒ国際短編映画祭(ドイツ) |
1991年 | ◎ アヌシー国際アニメーションフェスティバルにて、 日本のアニメーションの現状について講演 |
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1990年 |
◎ シュトゥットガルト映画祭にて、日本のアニメーションについて講演。 |
1986年 |
◎ 広州Shin Tai アニメーションスタジオ(中国)にて講演。 |