国際アニメーション・デー 2024 の開催を祝して

 日本そして世界のアニメーション関係者の皆さま、こんにちは。今年も国際アニメーションデー(IAD)がやって参りました。皆さまと共に今年も「アニメーションの日」をお祝いできることを心より嬉しく思います。

 IADは、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)が制定したアニメーションの記念日です。1892年にエミール・レイノー(1844 - 1918)によって世界で初めてアニメーションの一般公開が行われたとされる10月28日を中心に、その前後の日程で、世界中で一斉にアニメーショ ン芸術の発展を願ったお祝いが行われます。2002年に第1回が開催され、今年で23回目を迎えることになりました。日本ではASIFA-JAPANが主催して2005年から毎年開催されており、アニメーションの上映や展示、講演、ワークショップなどを行っています。
 今年の日本でのIADは、土師ノ里、京都、厚木、そして大阪の4ヶ所で実施する予定です。「IAD 2024 in土師ノ里」では、松井浩子さん(ASIFA-JAPAN会員)にご尽力いただき、藤井寺市土師ノ里にあるカフェ、ノーウェア土師ノ里さまのご協力のもとASIFA-JAPAN作品集Vol.1の上映会を実施します。「IAD 2024 in京都」では、京都芸術大学大学院の公開講義として、ゲスト講師に水尻自子さん(ASIFA-JAPAN会員)をお招きし、大学院のアニメーション分野で指導に携わっていただている中村古都子さん(ASIFA-JAPAN会員)、清家美佳さん、さらに博士課程に在籍しているエガネバクチアリ・ノーバルさん(ASIFA-JAPAN会員)らと共に作品の上映とトークを行います。「IAD 2024 inあつぎ」は、村上寛光さん(ASIFA-JAPAN会員)が神奈川工科大学で、そして「IAD 2024 in大阪」は、福本隆司さん(ASIFA-JAPAN理事)が大阪芸術大学で、それぞれ計画を進めてくださっています。詳細が決まり次第、当サイトでお知らせいたします。
 ASFA-JAPANの活動は、こうした皆さまの熱意とボランティア精神によって支えられています。この場をお借りして、企画・運営を進めてくださっている会員の皆さまとご支援を頂きました関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

 ところで、昨年度の挨拶文で私は、「ようやくコロナ禍が一段落し人々の交流が再開したものの、戦争はいまだ終わる気配を見せず 国際関係も緊張を増している」旨を述べておりました。しかし、それから一年を経た今、新たな戦争が始まり、状況は一層厳しく困難になってきています。ASIFAやASIFA-JAPANの活動を続ける中で、また、大学院で様々な国や地域からやって来た学生たちと話をしていると、世界情勢はテレビやネットの中の話ではなく、友人・知人の身に起きている現実だということに改めて気付かされます。IADはアニメーションをお祝いする日であると同時に、ASIFAの設立者や先輩会員たちが育んできたLOVE & PEACEの意義について思いをはせる日として、大切にしてゆきたいと思います。

2024年10月
ASIFA理事/ASIFA-JAPAN会長
大西宏志