IN東京

ASIFAポーランド支部 作品集

10月14日(日) 13:20 〜

ポーランドの会員による9作品

(1) ŻÓŁW (亀)
Directed by : Adela Kaczmarek
Produced by : Adela Karczmarek Warszawa
2012 / 2:00 / ポーランド





(2) SNĘPOWINA / SLEEPINCORD (夢のへその緒)
Directed by : Marta Pajek
Produced by : Se-ma-for Fundacja Filmowa Łódź
2011 / 14:00 / ポーランド

曖昧模糊とした物語。何度か見て頂く必要がある。主人公は夢。このマルタ・パジェックの作品は、特徴ある線で描かれ、この線が三つの空間に入り込むー抽象的空間、夢の空間、そして現実空間。三つの空間が視聴者を撹乱し、揺さぶる。そして、これら世界の相互の関係性を問い、答え求める。“へその緒”(umbilical cord)に模したタイト, SLEEP-IN-CORD, とは、我々を不可視のリアリティーに繫ぐものはただ一つ夢だけである、という意味。


(3) PAPIEROWE PUDEŁKO / PAPERBOX (紙の箱)
Directed by : Zbigniew Czapla
Produced by : Zbigniew Czapl, Kraków
2011 / 9:00 / ポーランド

2010年5月、記録的な大雨の後ウィルコウ近辺のビスツラ川が氾濫した。この壊滅的な大洪水で多くの人が財産や家屋を失った。この大惨事で私の家も壊滅した。その数週間後、私は箱に入った写真を見つけた。ただ一つ残った私の家族の思い出。それは泥にまみれていた。この作品は、作者が人々やそれにまつわる出来事の記憶を、必至に取り戻そうとした試みである。過ぎ行く思い出というもの、褪色、消滅という自然の理、そして元素万物が持つ破壊の力、そういったものについての印象である。


(4) SŁOŃCE W PEŁNI / THE FULL SUN (真っ盛りの太陽)
Directed by : Adela Kaczmarek /
Produced by : Serafiński Studio sp. z o.o. Warszawa,
2012 / 8:17 / ポーランド

窓から差し込む日の光で主人公が目覚める。彼女は、彩りも鮮やかな印象派的な世界へと旅経つ。太陽を求め、浜辺に至り、波と日の光のリズムに身をゆだねる。絵画的で全ての自然全体に至るこの物語。色や水の音ともに脈打ち、プラスのエネルギーと照射しあう。これは世界の調和につていの映像。そこでは日々の太陽の光の躍動が、異なる宗教、遠く離れた国の人々とその心を一つにする。



(5) UNDERLIFE (深層の生)
Directed by : Jarosław Konopka
Produced by : Studio Munka, Se-ma-for Fundacja Filmowa Łódź
2010 / 8:32 / ポーランド

現実世界から受ける目覚めた感覚とは全く違う思い出、フラッシュバック、イマジネーションなどの空間を遍歴する旅。全く主観的、個人的情念の物語―文化的テーマを織り込んだ、常に危うい仕方で現実世界と輻輳する夢なるものと並存する世界を表現。クリストフ・コメダの”Lullaby”(子守唄)などに触発され制作した、そんな乳母車の象徴的、暗喩的短編である。



(6) DISTANCE (へだたり)
Directed by : Marcin Wojciechowski
Produced by : FP Studio Munka, Fundacja Anima-Art Warszawa
2012 / 8:25 / ポーランド

へだたりー2点間の結ぶ距離、遠隔、乖離。物語や劇作的筋書のないこの作品、映画と動画(ムービング・グラフィックス)の境界を探る。二人の人間とのその間にある空間。タイポグラフィクス的なシンボルの戯れの中に捉えられた絶え間なく繰り返される対話。繰り返されるジェスチャー、言葉、信号が、”意味“を一つにまとめる“念仏”を誕生させる。心が、しばし混乱の原因たる共存から離れ独歩するため、その境界を指し示し、目印をつける試み。



(7) NIEBIESCY ARTYŚCI TWORZĄ SZTUKĘ
/ BLUE ARTISTS CREATE ART (ブルーアーチスト、作品を作る)
Directed by : Wiola Sowa
Produced by : Zachęta Narodowa Galeria Sztuki
2012 / 5:00 / ポーランド

この作品は、現代ポーランドのアーチストの作品に触発され、ザチェッタ・ナショナル・アート・ギャラリーが主催する‘Share Art’プロジェクトの一環として制作したものである。何がアーチストを触発するのか、また制作過程で起こる偶発性と、解き放たれた想像力の役割についてユーモラスに表現する。



(8) ALICJA TU I TAM / ALICE HERE AND THERE (あちこちにいる不思議な国のアリス)
Directed by : Alicja Jodko
Produced by : Alicja Jodko, Wrocław
1984-2012 / 5:40 / ポーランド

人との関係性の流れの中で光る鏡、非現実のなかのリアルタイムの輝き、文学のなかで点滅する生、生のなかで閃く文学、デジタル映像の中で輝くセルロイド画像。



(9) MEINE HEIMAT (マイホーム)
Directed by : Robert Sowa
Produced by : Sowa Film
2012 / 4:30 / ポーランド

抽象的なイメージのなかに瞬時、生成する記憶。現実的な絵が非現実なものと混合される。現代の作曲家、エバ・トレバッチェが作曲した印象的な楽曲がこの映像表現の特徴を強調する。ウルリケ・アルムート・サンディーグの詩、”Meine Haimat”(マイホーム), に基づき、土地や風景、そして家の暗喩的な感覚を表現する。