ごあいさつ

国際アニメーション・デー 2008の開催を祝して

今年も、10月28日およびその前後、国際アニメーション・デー(IAD)の催しが世界中で同時に開催される事を、心よりお喜び申し上げます。私共ASIFAにとって最も重要な活動の一つであるIADは、1892年10月28日、エミール・レイノーが、パリのグレヴァン博物館にて、世界で初めてテアトル・オプティーク(視覚劇場)によってアニメーションを一般公開した事を記念した催しで、2002年の発足以来、今年で7回目になります。 お蔭様で、年々、多くの国で記念上映会やセミナー、ワークショップなどが活発に催されるようになり、大変嬉しく思います。

ASIFA(国際アニメーションフィルム協会)は、1960年、ポール・グリモー、レフ・アタマーノフ、ノーマン・マクラレン、ジョン・ハブリー、イワン・イワノフ・ワーノ、カレル・ゼーマン、アレクサンドル・アレキセイエフなど、世界の多くの巨匠たちによって設立され、恒久平和を願う精神の下、アニメーションアートメディアの普及を通じた異文化交流により友好を深めることを目的としています。創設者たちのこの精神は、今日までASIFAの活動に引き継がれています。

コンピュータの時代を迎え、多くの人々にとってアニメーション制作・表現が容易になり、アニメーションメディアは、あらゆる分野にその有効性を認められる時代になりました。一方、世界中に質の高い作品があるにもかかわらず、残念ながら、それらはまだ広く知られていません。今日では多くの国々が国際の映画祭を催し、その普及に努めていますが、この世界同時に開催するIADの催しも、アニメーションの普及の大きな原動力になる事と信じております。

まだ100年余りの歴史の中にあって、アニメーションは未曾有の可能性を秘めて発展の一途をたどり、アーティストは年々に、目を見張る新しい表現をもって楽しませてくれます。人間の織りなす、あらゆる文化を含むアニメーションアートメディアの発展が、ASIFAの基本理念にふさわしく、真の平和社会実現に貢献できる事を嬉しく思います。
国際アニメーション・デー(IAD)2008が、楽しく、また成功裡に開催されますよう、祈念致します。

ASIFA会長
木下小夜子